1998年8月、朝日連峰岩井俣沢に入って3日目の夜、前2日に続いてこの日も夜から雷雨になる。中俣沢の左岸が少し広がった砂利地にテントを張った

ここなら増水しても一気にテントごと水に持って行かれることはないだろう

焚き火も出来て、晩飯を済まし、すぐにでも逃げ出せるように荷物をザックに詰め込み沢靴を履いたまま寝る

夜10時を過ぎた頃か、雷が鳴り始め雨も降り出す

飛び起きて、様子を見る。そのとき・・・

テントの入口と反対側の面の下3分の1くらいが外側からボォーっと光を発した。外に出る時間はあった。その間10秒くらいだったか

今のヒカリを見た?

うん、見たよ

そのあとすぐに増水が始まり、膝下まできた水の中をテントを担いで一段高いところに逃げる。そしてここもヤバいぞってことで、ロープを張って草付き斜面まで上がった

灌木にロープをつないでテントと我々の身体を結ぶ。そして朝まで

だけど、あの光は何だったのだろう

外に出て確かめる時間はあったけど、見た方が良かったのかどうか

焚き火はテントの入口側でしてたからその残り火ではない

ひかり

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