
報告感想(コトブー)
軍刀利沢の反省会で東北の沢の話題になり
「日本登山大系1北海道・東北の山」をポチる
ページ223「和賀山塊 秋田クライマーズクラブ」を開く
秋田、岩手両県の境をなす奥羽山脈の中央部
村人の山岳信仰やマタギの狩猟の舞台
知られざる沢登りのフィールド
豊富で貴重な高山植物の宝庫
密かな人気
地質上は第三紀層
山容の遠望はやさしい印象
近づけば急峻なルンゼや岩尾根、荒々しさに気付かされる
谷のスケール、困難さは東京近郊の沢とは比較にならず
日帰り遡行など望むべくもない
高度は低いとはいえ、遅くまで残る雪渓など、自然条件は三〇〇〇m級
スケールが大きいだけに雨天時の鉄砲水や増水は怖いくらい
会にとって特別なこの東北の沢を2025年お盆に親分が計画してくれる
コースは、北上線ほっとゆだ駅=高下登山口~和賀渡渉点~和賀川本流沢下降~大鷲倉沢(沢登り)~和賀岳~北方向へ尾根を辿り、1412m~1284m~治作峠付近からマンダノ沢に下降~上天狗沢遡行~羽後朝日岳~部名垂沢下降~夏瀬温泉=角館
沢をやるために入会した自分は気合い満々、コンディションを整えて臨ませてもらうことにした
PTメンバーは親分(L)、ガンチ(SL)、期待の新人ビービ、自分の4人
1日目
8月13日(水)盛岡で全員合流、北上線「ほっとゆだ」駅でガンチが呼んでくれたタクシーに乗車、高下(こうげ)登山口手前の車止めから歩く(11:30)
おっと、その前に荷物の分配
ピーピーピー
ピピピピピピピピー
ピーポペピョ 熊を避けてるのか呼んでるのか
笛を吹き吹き、汗を拭き拭き、木陰を踏み踏み歩く
登山口で地図を見て登り始め、等高線よりずっときつい登り勾配に文句タラタラ(13:30)
そうえいば「地図は間違っていることがよくあります」なんて、偉い地図学の先生が言ってた
不完全な人間が作った不完全な地図って、一体何を見たらいいんだよ
「地図読みは地形を読むことだ」後日、地図読みのT師匠から聞き、納得
「和賀川横断点または大鷲倉沢出合いで初日幕営」計画
白い岩、エメラルドグリーンの水、可憐な花々、広々した河原が両手を広げて待っていた
和賀渡渉点を今夜の宿に決定!!(16:30)
大きな石を取り除いて寝床を整えタープを張る
流木を集めて焚き火を焚く
「乾杯しようよ」という親分の一声で乾杯する(18:30)
AIによると「焚き火は五感に働きかけリラックス効果やコミュニケーション促進効果が期待できる活動」らしいけど、沢では「濡れた衣類を乾かしたり体を温めたり」と案外実用的
ところで、今回の共同食は夜4回・朝4回、ガンチシェフと自分で各2回ずつの担当
飯豊で不評だった「お湯を入れるだけの食事」から脱却しようと真面目にメニューを考案する
4回×4人=16食分
重量は無視できない課題、味の変化も付けたい
でも、結果として濃い味付けとボリュームが一番大事!だってことを実感
なんでもやってみるもんですな
2日目
8月14日(木)贅沢に朝から焚き火でのんびりスタート(8:00)
よく「てつかずのしぜん」なんて言うけど、まさにそんな感じの和賀川を下っていく
ああ、身も心も浄化されていくよ
下りの泳ぎは水が運んでくれて良いね
親分、ヘルメットがザックに押しあげられて前が見えなくなってるよ!
えっ?穴から見えてるって!?笑
元気一杯、元水泳部のビービは泳ぎが面白くて、滝が嬉しくてひたすら水線を行く
あんまり早く行きすぎるなよー、見えなくなっちまうよ
風景がでっかすぎて人間がちっぽけに見えるな
「もしここにずっと一人で暮らしてたら、人間に会ったらさぞ嬉しいだろうな」なんて考えた
同じ地球の皮の上に住んでる者同士、平和に仲良くいきたいよね
懸垂下降は親分、ビービ、自分、ガンチの順で何回やったっけ?
「下の手を絶対離すな」
ビービが念仏みたいに唱えながら降りていく、えらいね
懸垂下降といえば「登り返し」ってのも練習・習得したいんだよな
本には「和賀渡渉点から下部は上部に比しゴルジュも発達し、意外と悪い下降2-3時間で出合いに立つ」なんて書いてある
嘘でしょう?
我々は6時間くらいかかってますけど?(14:00)
ヤマレコの記録によると、この日の野営は和賀川の渡渉点から4.7km歩いた地点
予定していた上流部までは到達できず
親分によると、大鷲倉沢に入って2つ滝を巻いたあたり(16:00)
タープの宿、準備ができて乾杯(17:30)
着替がいらないのは良いけど、腹回りくらいは焚き火で乾かしておきたいね(19:00)
3日目
8月15日(金)寝ていると雨がタープを打ち始め、音がやや強くなり時計を見る(1:30)
止む気配なく親分が「コトブー、寝ている横の水流に変化が生じたら教えて」という
水量が増えてきたので避難開始(4:00)
脇の高台に協力して全ての荷物を移動
荷物のそばで4人小さく固まり、ブルーシートとタープをかぶってしのぐ(4:30)
寝ていた砂地には水が流れ込み
野営地選定の重要性、避難路・避難先を考えておくことの重要性を体感した
決断、行動のタイミングは経験が必要かもしれない
初心者の自分は、早めを心がけたいと思った
雨が止み、朝ご飯を食べ始める(6:00)
青空が見え始め、気分が上がってくる(8:30)
水が引くのを待って、出発する(10:00)
ビービはグングン登って、スイスイ泳いで、スルスル降りていく
次々訪れる急な斜面の高巻きは親分がリード
ガンチがそれをフォロー
薮漕ぎも高巻きも時間はかかるけど
これだけ繰り返すと普通のことになってくるね
「習うより慣れろ」っていうよね
暗くなってきたのでビバークに取り掛かる(19:00)
約9時間の山行時間で進んだ距離は3.2km
計画ではマンダノ泊、現実は大鷲倉沢の中
いやぁ、よくがんばりました!
今日はテントで寝るよ、あったかいの嬉しいなー
ビービが欲しがるから今夜も焚き火でリラックス
ここで正式に「治作峠へは行かず、和賀岳に上がってから高下登山口まで戻る」ことに決定した
みんな残念、ビービは特に残念
でも、ガンチシェフのガッツリディナーを「うめぇー!うんめぇー!」なんて言いながら、ムシャムシャ食べて気持ち変わったね
親分、満足して寝ちゃったよ
4日目
8月16日(土)おはよう、テントでもあったかくないじゃん!
シュラフ無しのシュラフカバーだけだから、軽くてコンパクトだけど
薄いダウンジャケットは要るよね
ガンチシェフのガッツリモーニング食べて元気をチャージしてスタートだよ(9:30)
モーニング モーニング 君の朝だよー
モーニング モーニング 君の朝だよー
なんて歌いたくなるような青い空が、緑のV字の上に見えてきたよー(10:00)
親分が「東北らしい景色になってきたな」って言ってたよー
2日目夜半の雨が遠い昔のことに感じるね
「雨降って地固まる」なんてね
ヤァヤァヤァヤァ、あれに見えるはスノーブリッジ!(11:00)
「中、行ける?」「やめといた方がいいな」
でもさ、上を歩くのも怖いよね
「薄いところは歩くなよ」「端から1mくらいのところを歩けよ」親分が後ろから教えてくれる
歩き切ってホッとすると、可憐な花々が心を和ませてくれる
上流部から源流の巻きは難しい上に暑くて大変だった
あげるのが大変で、親分のザックがドロドロになった
無数の虫がまとわりつく中、親分がみんなを力強く辛抱強く引き上げてくれた
水に浸ると生き返るね、水ってほんと有り難いね
その水が枯れてきて、後ろを振り返ると谷筋の向こうに下界が見える(14:00)
最後、先に着いたビービがロープを引っ張ってくれて、みんなで無事山頂に着いた(16:40)
標高1440mの和賀岳、360度の視界を4人で貸切りだ
装備を解除して記念撮影(17:00)
みんな頑張ったよね!
振り返りつつ登山道を下り始める
和賀川渡渉点に戻り、沢靴に履き替えて渡渉(20:00)
初日のビバークポイントにテントを張る
今日の山行時間は8時間半、距離は7.4km
冒険の終わりが近づいて、寂しいね
5日目
8月17日(日)ガンチが元気なくて心配する
ビービが元気いっぱいなので安心する
朝ご飯を作ってみんなで食べる
ガンチも少し食べてホッとする(6:00)
「行きに乗ったタクシーの運転手さん、来てくれるかな」
「どこで電波入るかな」
怪我なく無事に帰れるように祈って出発(8:00)
高下登山口までは全員離れないようにして歩く
「このブナ立派だね」
「荷物、下ろすと背負うの大変なんで、中腰で休憩するのが楽なんです」
日を追うごとに背負う荷物を増やし逞しくなっていくビービが眩しい!
登山口について休憩、着替え、行動食を口にする(11:00)
まもなく、ビービはタクシーを電話で呼ぶために先に出発
しんどそうなガンチを見かねて、親分がいくつか荷物を引き受ける
車止めまでの約4km、歩けども歩けども辿りつかず
狐が化かしているだろうかと疑いたくなる
車止めに着くと、ビービの荷物が置いてあり
メロスのように走るビービの姿を想像する
メロスよりも爽やかな笑顔でビービが帰ってくる
やがてタクシーの音が聞こえて歓喜の声を上げる
ほっとゆだ駅に戻る
発車まで時間がないので駅の隣の温泉で「さっとゆ」を浴びて北上線に乗る
お盆最終日、北上駅から「立ち席乗車券」で東京に戻る
スマホでジャンプ+を読みながら一人余韻に浸る
衛星の数、多かったなー 流れ星、見えたなー
熊よけスプレー、重かったなー 使わなくて、よかったなー
初日に二組、3人と 最終日に1人と会っただけだったなー
お花畑、どこまでも続いてたなー 綺麗だったなー
ビービのこれから、めちゃくちゃ楽しみだなー
ガンチはどこまでも優しくて、無理を承知で頑張るんだなー
親分はやっぱりすごいなー
このメンバーで行けて面白かったなー
次は夏瀬温泉から沢を登って奥羽朝日岳に行ってみたいなー
誰か行ってくれるかな?
なんて考えてたら、東京駅に着いちゃった
新幹線は早いね