夜中1時前に東京を出発。畑薙第一ダムの駐車場に6時頃に着きました。1時間程休んで、身支度をして、7時半のバスに乗り椹島へ出発しました。
9時に椹島からスタートです。長い縦走が始まりました。
1日目は千枚小屋を目指します。初めが急登でしたが、後半はなだらかでした。この先の長い行程を意識して、疲れないようにゆっくりと登りました。途中で少しだけ展望が開けると、赤石岳が見えました。15時に小屋に着きました。今回は、この日だけ小屋泊です。小屋へ入ると、正面に受付があり、その左手に、中心の通路の上が3階まで吹き抜けになっている寝床スペースがあります。開放的で素敵な造りでした。夕食のハンバーグも美味しくいただきました。

2日目。天候の崩れを心配し、出発を1時間早めました。3時に起床。まだ暗い空は、満天の星空でした。4時に出発です。段々と明るくなり、千枚岳の手前でヘッデンを切りました。4時45分、今回1つ目のピークである千枚岳に到着しました。日の出までもう少しありそうだったので、先に進みます。日の出を見るのにちょうどいいスペースまで来ましたが、日が昇るまでまだもう少しありそうだったので、さらに進みます。日が出る寸前に何とか見える場所に来ました。美しい日の出でした。真ん丸の太陽が周囲を赤く照らしながらゆっくり昇ってくる様子は感動的でした。スタートから1時間、いきなり最高の景色に出会ってしまいました。感動の余韻に浸りながらも歩みを進めます。風が強くなります。寒くてカッパを着ました。6時20分、悪沢岳に到着です。青く澄んだ空がきれいでした。赤石岳には雲がかかったり離れたりを繰り返しています。今日のゴールはどこだろうと思いながら、先の景色を眺めました。歩みを進めます。しばらく下り、登り返すと荒川中岳避難小屋があります。その先に中岳です。そして、荷物をデポして前岳にも行きました。三伏峠までの稜線が見えます。いつか歩きたいなと思いながら、何度も何度も振り返ってしまいました。しばらく進むと、森の中にかわいい赤い屋根が見えました。荒川小屋です。まだ9時前でしたが、大学生のチームがテントを張っています。早いですね。水を補給して先へ進みます。荒川小屋から赤石岳手前の大聖寺平までは、とても気持ちの良いトラバースです。眼前に赤石岳を見ながら、黄緑色の景色の中を進んで行くこの道は、天国のようでした。本当に気持ちよかった。天国が終わると、赤石岳までの登りです。日差しは強いし、天国の余韻もあり、何だかとてもつらい。何とか登り切り、小赤石岳、そして赤石岳です。居合わせた方と写真を撮り合って、先へ進みます。ガレ場をトラバースし、下っていきます。辺り一面がガレ場でちょっと怖い景色でした。ガレ場を抜けると、広い広い百間平です。この美しい平らな草原が今日の締めくくりかと思いきや、百間洞までの下りがちょっときつかった。13時半、百間洞山の家に到着です。小屋の方から、2日前にここのテン場に熊が出たとの情報。小屋の方のアドバイス通り、他のパーティーの側にテントを張りました。テントは点在させず、固まっていた方がいいとのこと。全部で4張りでした。熊に怯えながらもぐっすり眠る。

3日目。この日も出発を1時間早めました。2時起床。空には満天の星。3時に出発です。熊鈴をリンリンリンリンリンリン鳴らしながら歩きます。大沢岳の分岐まで来ると、霧の中でした。暗闇の中でガスの中。何にも見えません。道を間違えないように進みます。中盛丸山を過ぎ、小兎岳までの途中で日の出です。霧の中から、昇ったばかりのお日さまが見えたり隠れたり。初めて見る景色でした。幻想的でした。小兎岳を去ろうとした時、霧が薄くなり始めました。すぐに景色が広がります。これから行く兎岳、聖岳、そして霧の中で全くどこを歩いているか分からなかったさっきまでの稜線が見えました。徐々に霧が晴れて現れる山の景色にうっとり。いつまでも見ていたいけれど、先へ進みます。6時20分、兎岳到着です。目の前に聖岳がどっしり構えています。これを登るのが今日の核心です。と、その前に兎岳避難小屋を見物。なかなかでした。さて、進みます。まずは下っていきます。聖兎のコルまで来ると、赤紫色の岩場が現れます。赤色チャートです。ここで少し道を間違えました。赤色チャートの険しい岩場に見入っていたら、そのまま険しい方に引き込まれてしまいました。気づくと少し険しいクライミングゾーン。先の道もなさそうで、さすがに引き返す。引き返すとすぐに登山道を見つけました。よかった。そうこうしているうちに辺りがガスってきたようです。さっきまで快晴だったのに気づくと辺りは真っ白です。すでにガスの中にいました。さて、ガスの中を登っていきます。景色のない中を歩くというのは、想像以上に憂鬱です。登りがつらいからなのか、景色がなくてつまらないからなのか、その両方か分かりませんが、核心と思っていたここの記憶があまり残っていません。山頂手前ですれ違った方から、もう少しだよと言われたときになぜか少し疑ってしまいました。気持ちがスレています。が、本当に山頂はすぐそこでした。疑ってすみませんでした。8時40分、聖岳到着です。何も見えません。何も見えないことは分かっているけれど、奥聖岳にも足を伸ばします。山頂にタッチしてそそくさと引き返します。聖岳に戻って、ここから激下りです。少し時間が押して来たので、下りが激早いコーソンさんに引っ張ってもらいます。何とか付いていきます。ザレ場を転ばないようにかけ下ります。10時50分、聖平小屋到着です。この先の登りに備え、カップラーメンで力を付けます。水を補給して出発です。まずは南岳へ登ります。だいぶ疲れてきたので、ゆっくりゆっくり登っていきます。開けると、ガスの中の聖岳とは打って変わって、青空の中の稜線歩きが待っていました。元気が出てきます。13時少し前に南岳到着。振り返ると山頂をガスに覆われた聖岳。先に見える稜線をそのまま進み、上河内岳の肩に到着。時間は押していましたが、欲張りな私は荷物を置いて山頂へ。5分で着きました。聖岳の山頂は相変わらず隠れていますが、奥に赤石岳、荒川岳が見えます。ササッと写真に収め、待ってくれているコーソンさんの元へ戻ります。さて、いよいよ長かった今日の行程もあと1時間です。下って下って、お花の咲いていないお花畑を通り、しばらく進むと茶臼小屋の分岐に到着。まだ小屋は見えません。まだかなまだかなと思いながら、全然見えてこない小屋を目指します。15時、ようやく赤い屋根が見えました。茶臼小屋到着です。あー、長かった。雨は降りそうもないので、テント設営前にビールを飲んでのんびりします。やっぱり今日は長かった、想定タイムが早すぎたと色々反省しつつ、明日の行程を相談。今日の疲労もあるので、とりあえず易老岳を目指すことに。行けそうであれば光岳へ行くということに。2時出発の予定でしたが、荷揚げのために6時までにはテントを撤収してとのことで、テント撤収時間を入れて、3時出発に変更しました。目覚ましをセットして就寝です。

4日目。1時半起床。身支度をしてテントを撤収し、出発です。荷物は小屋に置かせていただきました。最終日ですが、荷物が軽いので、足取りは重くありません。ただ早朝なので力は出ません。ゆっくり進みます。30分弱で茶臼岳到着。暗闇で記念撮影。山頂前後の稜線では、闇夜に浮かぶ富士山、頭上には一面の星空、南東と南西に街の灯り、周囲はぐるりと山々のシルエット。まだ夜の空気を感じながらの素敵な景色でした。ヘッデンを切り、しばらくこの空間を味わいます。ナイトハイクもいいなと思いながら先へ進みます。一旦下って登り返して行くはずですが、思いの外下りが長い。とても長い。行きと帰りのコースタイムは同じくらいのはずですが、こんなに下って帰りも同じ時間で帰って来れるのか不安になる。不安を感じながらも時計を見ながら先へ進む。5時過ぎ、易老岳に到着です。荷物が軽い割には、思ったよりも時間がかかりました。疲労感も考慮し、ここで終わりとしました。茶臼小屋へ戻ります。光岳を諦めると、途端に時間と心に余裕が生まれました。帰りはのんびりと景色を堪能しながら歩きました。昨日は山頂をガスで覆われ続けていた聖岳が、今日はしっかり見ることができました。朝の澄んだ空気で、360度丸見えの絶景を楽しみました。茶臼小屋に戻り、時間と心に余裕を得た私たちは、カップラーメンで下山の力を付けます。小屋を出発して振り返ると、小屋の方が手を振ってお見送りしてくれています。小屋の方と南アルプスに手を振り返し、下山です。長い長い下山は、暑さとの戦いでした。時間に余裕があるので、のんびりのんびり下りました。下の方は、ザレた狭いトラバースが続き、最後まで気が抜けません。最後の畑薙大吊り橋は、長くてちょっと怖かった。そして、最後の長い長いアスファルト。何とか歩き切り、駐車場でゴールです。長い行程を歩き切った達成感と充実感でいっぱいでした。

写真これから