1日目

新宿7時発のあずさにて韮崎駅に向かう。 すでに駅前にはもっぱら登山客と思われる人々がごった返す。 瑞牆山荘行きのバスは臨時便が2発出るほど混んでいる。

我々は第二便に乗車し瑞牆山荘へ向かう。 バスの車窓はすぐに森の奥へ奥へ変わる。 紅葉も最後の頃で紅葉やイチョウが綺麗。一時間ちょっとの乗車で瑞牆山荘へ到着。

ほとんどの登山客は富士見平へ直接向かう登山道を行く模様。我々は車道を歩いてみずがき自然公園方面に進む。途中の木々と木漏れ日と秋晴れの空の青が絶妙なコントラスト。空気がひんやりとしていて、しかし決して寒くはなく、昨日までの都会の喧騒が景色でも心理的にもバランスし、なんとも言えない心地の良い気持ちになる。

一時間も歩かないうちにカンマンボロンへの登山口に到着。ここからは車道を離れ登山を開始する。カンマンボロンへは斜度の緩い林の中を踏み跡を辿って進む。天鳥川右また沿いの上を上流に向かって歩く感じ。足元は針葉樹の落ち葉の絨毯。腐葉土の混じったような草いきれが気温の上昇と共に鼻をくすぐる。左側に涸れ沢を2つ通り越し、3つ目の沢沿いを左に上がり、天鳥川からはそれる。しばらく行くとハングしたボルダーで若者たちが遊んでいる。そのままほぼ真っ直ぐ登るとすぐに岩壁につき、右の踏み跡を辿ると、カンマンボロンの下に出る。

カンマンボロンは岩壁と大岩の隙間を通って入る。4畳くらいのテラスの背後が岸壁。そこにカンマンボロンと彫られていると言われる、風化した岩の溝が ある。心の清い人にしか読めないらしい。自分には読めたが、中には怪しい人もいるみたい。小休止しながら先に進む。

一度下ったのちにゴロゴロした急登に喘ぐ。途中の岩峰と 岩峰の間を乗越し、大ヤスリ岩の真下をトラバースし、涸沢を上がると一般登山道へぶつかる。ここまでクライマーを除いた登山客には会わず、とても静かな山行。 荷物を出会いにデポして頂上へ急ぐ。

小一時間登ると瑞牆山の山頂へ到着する。山頂付近の日陰は5度くらいとやはり寒い。眺望は素晴らしく、富士山、八ヶ岳、南アルプスと遠くまで見える。標高が高くないため西側の眺望は金峰山、甲武信岳に遮られるが、翌日歩く稜線がよく見える。

記念撮影を済ませ、デポ地点まで戻り、ザックアップをして富士見平まで急ぐ。約90分の下りの後富士見平に到着。すでにテン場には30張ほど先客がいる。我々はエスパース5人用1発とツェルト1発を用意。
小屋はワイングラスや灯油ランプがかけられていて、低山だけにオシャレ。過去に陰惨な事件があったとは思えない。

夕飯は持ってきた大鍋に白菜とつくねと牛もつを突っ込みキムチ仕立ての鍋にした。体が温まったところ21時に消灯とした。

夜は自分の寝ていたツェルト周りに深夜誰かがぐるぐる歩き回る足跡が気味悪くとても寝つきが悪かった。ここのテン場は皆と一緒の方が安眠できそうだ。

朝6時の起床。昨日のキムチ鍋(とり箸とお玉を使ってたからスープは綺麗)の残りに多少の調味を加え、フカヒレ味に変身させたおじやをかきこむ。

7時半に出発。金峰山へは一般道。コメツガやシラビソの森をずっと登る。途中大日小屋を覗きながら、テン泊か冬季の避難小屋泊ができないかをチェック。

登山道から20mほど下がっているので、入口が入れるか不安だが、 大丈夫なら中は快適そう。さらに森の中の急登を進むと、大日岩の下に出る。

荷物をデポして大日岩を登る。手がかりの無い岩だが、フリクションが効くので登るのは可能。ただ、高度感がありザイルなしでは足がすくむ感じ。

岩の頂上からは八ヶ岳をバックにそびえる瑞牆の白けた山塊が絶景。

2日目

さらに一時間ほど急登を頑張ると森林限界を超え、ようやく五丈岩が見える稜線に出た。稜線上は右側がすっぱり切れ落ちたゴーロー歩きだが、さして危険箇所はない。

岩の間から富士山が見えて清々しい稜線歩き。11時過ぎに金峰山頂上に到着。

頂上は大弛峠からの登山客でごった返している。五丈岩も登ろうとする若者たちで行列ができてる。せっかくなので五丈岩の取り付いてみると以外と大きくて高度感があり怖い。足場は40cmくらいしかなく登るのは良いが、降りるときには手がかりがなく苦慮した。

山頂では昼食をとる人が多く、中にはお好み焼きを作る強者もいる。よほど物欲しそうな顔をしていたのか、一口ずつ分けてもらい元気が出た。

金峰山からの下りは表参道ルートを下降する。時間帯もあるのか、下りも上りも登山客が誰もいなく、またまた静かな山行。途中、片手回しの岩、大岩のトラバースなど飽きさせない。

御室小屋までは踏み跡が明瞭で迷うことなく降りる。その後沢沿いを行くが季節的にか枯れてい他ので沢を下降する。

途中2回ほど迷いそうになるが、その都度修正してアコウ平には予定より早く14時過ぎに到着した。

大弛峠からのバスを途中乗車する予約をしていたが、1台のはずのバスが増便で4台出ていて、我々は4台目に回される。ヤナギ平までバスで出て乗り換え塩山まで行き駅前に菊亭で唐揚げを食べて帰路に着いた。

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2016年山行一覧

奥秩父・カンマンボロン〜瑞牆山〜金峰山 2016.11