鳳凰三山 2026.2
2023年9月に体調不良で途中敗退した鳳凰三山。稜線に上がれず引き返した悔しさが、ずっと心に残っていました。今回はそのリベンジ。
とはいえ、終わってみれば「自力で堂々完登」とは言い難く、仲間に支えられ続けた山行となりました。
初日は夜叉神駐車場を9時半頃に出発。空は雲がほとんどない快晴で、雪をまとった南アルプスの主峰・北岳がくっきりと見えます。
ハードシェルはズボンのみ。冬靴にチェーンスパイク、長めのピッケルという装備で、気温もちょうどよく、条件は申し分ありません。問題は自分の体でした。花粉による季節性喘息で2月はほとんど運動できず、山行の一週間前に3kmを二回歩いたのと2kmを走っただけの状態。
歩き出して間もなく息が上がり、足がもつれます。苺平を過ぎたあたりでついに足が本格的に攣り、立ち止まりました。明らかなペースダウン。
荷物を分担してもらいながら、足をなんとか動かして南御室小屋のテン場へ向かいました。
キャンプは好きなので、テント設営になると少し元気が戻ります。雪を慣らし、少し張り切って整地までしてしまいました。夜は山とは思えない豪華な夕食。お肉たっぷりの鍋に麺、さらに味変も楽しみながらしっかり食べました。食事当番にいつも感謝です。
ほろ酔いで星空を眺めているうちに少しずつ疲れも和らぎます。長年連れ添ったナンガ600にダウン上下で潜り込むと、あっという間に眠りに落ちました。
翌朝、体調が悪ければテント番をするつもりでしたが、澄んだ空気の朝を迎えると不思議と気持ちは前向きに。アタックザックに切り替え、ヘッドランプを灯して5時前から出発しました。
最初は昨日より調子がよく感じました。しかし、薬師岳、観音岳を越える頃には失速。少しペースを上げようとすると息は荒く、足は空回りし、ふらつきます。地蔵岳の中腹で思わず「ここで待ちます」と弱音を吐きましたが、ウルトラマラソンを走る強者に「もう少しですから、大丈夫行きましょう!」と背中を押されました。何度か小休止を挟みながら進み、ついに地蔵岳へ。オベリスクを前に広がる景色は圧巻でした。お地蔵様たちに子どもたちの無事をしっかり祈願します。ところがここで現実に気づきました。来た道を戻るしかない。つまり観音岳と薬師岳をもう一度登り返すことになります。鳳凰三山のはずが、いつの間にか鳳凰五山。「やっちまったなぁ」と心の中でつぶやきました。
地蔵岳からの登り返しは、とにかくきつかった。ほとんどはっきりしません。徐々に水が尽き、喉がカラカラで口が張り付くような感触。雪を口にし、ついにはつららまで食べました。つららは不純物を多く含むため凍りにくく、あのとがった形になります。本来は食べてはいけない代物です。最初は土の味、次は苔の味。それでも二本目の半分まで口にしてしまいました。少しすると身体が楽になってきたので、改めて脱水の怖さをあらためて実感しました。
観音岳からテン場までは、とにかく「安全に歩くだけ」。登りの一歩がなかなか出ません。それでも止まらないと決め、必死に足を前に出しました。遠くに見える南アルプスを時折眺めながら足を進めます。相変わらずの好天候です。そろそろ足が出なくなってきたなと思ったその時、マラソンを趣味にされている方が水を集めて戻ってくれたおかげで、なんとか歩き続けてテン場まで戻ることができました。
撤収後の下山も、まだ7kmあります。普段の雪山と同じ距離ですから楽ではありません。最初に一度、途中で二度、荷物を分担してもらい、芍薬甘草湯やポールまでお借りしながら歩き続けました。
夜叉神峠手前で日が暮れ、ヘッドランプは途中で電池切れ。二つ目に交換して進みます。予定では17時半下山のはずが、実際は20時30分くらいになっていました。都内までの終電にギリギリになってしまう関係で、同行者に運転をお願いして都内の大きな駅まで送り届けました。みんな無事に帰宅できて本当に良かったです。
最後まで迷惑をかけてしまった山行でしたが、過去最長距離、限界突破、脱水と失速。正直、体力面では課題だらけです。それでも怪我なく、雪の鳳凰三山24.5kmを歩き切れました。そして仲間の支えでリベンジを果たすことができたことに心から感謝しています。鳳凰三山は手強く、そして最高でした。
次こそは、「もう少し」を笑って受け止められる体力をつけて戻りたいと思います。
(SK)
◯谷川岳山行報告◯
強風と時間切れで撤退した雪訓の帰り、イーチャと「登頂したかったね」という話からその日のうちにリベンジ日を決めて臨んだ山行でした。
今シーズンは自分で雪山計画を出したいとも思っていたので許可されるかドキドキしながら承認を待ちました。
日帰りでオキノ耳まで行きたいと思い少し時間に余裕のない計画を立ててしまいましたが、当日は朝から無風の快晴。天気に恵まれ10:00天神平からスタートでしたが軽快な足取りで進み12:00にはトマの耳に到着できました。
そのまま去年は行けなかったオキノ耳まで進み無事計画通り登頂!
360度山々が見渡せて、谷川の巨大な雪庇もはっきりと見ることができました。
そのまま進みたい気持ちをグッと堪えて下山します。
初めて先輩方のいない雪山山行だったので前日までは何かあったら対処できるだろうかととても不安な気持ちでしたが安全に天神平まで戻ることができました。
天気の情報や気をつける点などをご連絡くださった方もおり、やまづとメンバーの温かさを改めて感じだ山行でもありました。
見守っていただきありがとうございました。
ワーチカ