デート沢に行こうという企画。デート沢とは岳人の沢特集で「関係を深めたい初心者の異性と楽しむために神様が用意したような渓をいう」と紹介されたところだ。尾瀬の沢という響きもやさしげでよい。結局、泊まりの沢は初めてのメンバー2名も含め7人での出発となった。沢登りの楽しさを知ってほしい、そんな山行になればいい。
尾瀬・中ノ岐沢北岐沢報告
1日目
大清水で夜行バスから吐き出されるように降りたのは、3時半ころ。バスが出て行ってしまうと、暗闇に包まれた。まだ、朝食をとる気にもなれず足元が少し明るくなるまでノロノロと支度をしながら時間をつぶし、5時に奥鬼怒林道を歩き始める。
心配していた雨もなんとかもちそうだ。1時間半ほど歩いた入渓地点で朝食。
入渓は枝沢づたいに少し下って本流に降りる。
森の中を静かに流れる穏やかな流れだ。(07:20)
15分ほどで最初の滝、左から楽に登れそうだが始めでもありロープを出した。皆難なくクリア。(07:45)
次の二条の滝はグリップがしっかり効いて右から(07:55)
倒木のかかった滝(08:25)を超え、三段の滝で小休止(08:30)。登れる小滝が次々に現れ飽きさせない。でも魚影はまったくなし。
いちおうデモンストレーションで竿を出したが、振り出す前に毛鉤からハリスが抜け落ちてしまい面倒くさく早々に断念。三段の滝は右からブッシュの中を上がった。(08:50)
このあとは沢床が岩盤になりナメナメをじゃぶじゃぶ、淵をまきまきと楽しく歩く
続いて大きな淵をもつ滝、落ち口の上からナメになっており楽しさ爆発(08:55)、いろいろな花々が目を楽しませてくれるが中でもダイモンジソウが印象的
やがて右岸に赤い壁が現れるところで沢筋は右に屈曲し、ほどなく大滝にでる(09:30)
圧倒される水量と巻き起こる風、マイナスイオンを全身に浴び、癒やされるどころかテンションがあがりまくり、へつるのもうっとうしいとザブンと泳ぐ者たち。
大滝は、50mほど戻った左岸にある明瞭な踏み跡をたどり巻く。落ち口近くに懸垂下降。岩トレやっててよかったね。(10:25)
大滝上は水量をぐっと減らし、ますます癒やし系の趣き。滝もロープなしで楽しく登れる(10:50)
もふもふの苔っぷりも楽しく飽きさせない
右岸から赤い滝が落ちてくるところによいテン場があったが、まだまだ時間は早いので歩を進める(11:10)
その先はまたナメの廊下が始まる(11:35)。足首くらいの水をじゃぶじゃぶと心地よい
10分ほど進んだ階段状の滝で集合写真(11:47)
渓相は源流近くなりわずかなトロ場があると飛び込む、泳ぐ(12:09)
14時頃、広いテン場があったのでちょっと早いが泊地とし、お待ちかねの焚き火宴会を始める(14:30)
今回は食当でないメンバーにも全員焚き火で焼くものを持参としていたので、出るは出るは
定番のナス・シシトウガラシのおろし本生姜添えから始まり、ほくほくジャガイモ(濡らした紙にくるんで焼く)にとろとろカマンベールをつけて
さらには豚のネギ間焼き、豆腐やさんのジューシーお揚げ、こんがり焼きチーズ などなどなど
飲んべえたちの夜は長かった
2日目
カラスかーで夜が明けて、二日酔いの朝は鯖そうめんが胃にやさしい
夜はシュラフカバーだけでは寒いくらいだったので、そうめんも温そうめん
焚き火を囲んでの食事はついついゆっくり楽しんでしまい、出発予定に遅れること45分(07:45)
30分ほどナメを進むと1790mの二俣、あれ、こっちのテン場のほうがもっとよかったね(08:20)
二俣を右にとると、傾斜が急にきつくなってくる
といって特段歩きにくいわけではなく、ぐんぐんと稜線に近づいている感じ
左岸に赤い土壁のところ(09:05)からほどなく小松湿原からの小沢との分岐(09:08)
15分ほどでひょいと目の前が開けて小松湿原に飛び出る
薮こぎなしのうれしさに思わず踊り出してしまう(09:22)
稜線の登山道までは、滑りやすい急斜面をよじること20分、それでもツメの楽さはこの沢のいいところだ
水場で水筒を満タンにし(10:10)、奥鬼怒山をめざす
出発が遅かったこともあり、急がないと温泉に浸かる時間がない
倒木が多くよじ登ったり、くぐったり歩みがはかどらない
苔やキノコが目を楽しませてくれる
木々の間から燧ヶ岳が望める(11:20)
でも時間がないので奥鬼怒山ピストンは割愛し(12:07)、加仁湯までノンストップで下ることに
奥鬼怒湿原を駆け抜け(12:30)温泉へと一直線
ようやく日光沢温泉まで辿り着くと、なんと最終バスの時間を間違えてた
温泉どころじゃあない、今すぐのこりコースタイム1時間半の下りを70分で駆け下りないと今日中に帰れないではないか
走れ走れ
先にバス停に着いたハレオさんが、出発時間になったバスの運転手さんにお願いして出発を遅らせてくれたので、なんとか全員そろって帰れることになった
安心した一行は、お風呂を鬼怒川温泉駅で済ませると、反省会は電車の中、そして北千住の裏通りまでつづいた