行者小屋手前で吹き溜まりの雪が深い。若者2人が躊躇している。どれどれ、オジサンにまかせなさい。かつて、「やまづと」にはラッセルを厭わない時期があった。
2日目も天気が荒れた。まる一日テントの中での休養日。
凍てつく朝、空に月がまだ残る青の世界。
3日目の朝、快晴の朝がやってきた。テントの中から。
朝焼け。下がブルー、上がピンクに。踏みしめる雪がキュッキュッと鳴って、足先が凍るよう。
赤岳に向かう。日の当らない斜面は寒々しい。岩を攀じるパーティーのコールが聞こえる。
中岳道を下って行者へ。山登りを始めたころ、この中岳道で10数人が一度に巻き込まれた雪崩れ事故があった。全員の顔写真入りの事故報告書をみて自分の山に大分セーブがかかったように思う。
テントを撤収し、美濃戸に下山する。午後から風が出て、赤岳に雪煙があがった。
山頂近くになって、やっと日が当る。風も弱いが中々冷え切った身体が暖まらない。長居もできず阿弥陀に向かった。
中岳を越えて阿弥陀岳へ。
北稜登攀中のパーティーのコールを横に聞きながら、急な斜面から山頂へ。