南ア深南部・沢口山~バラ谷の頭~黒法師岳~寸又峡 やまづと2020.11
「深南部」 これほど心が躍るキーワードがあるのだろうか…!南アルプスラブの私は、この山行を待ち侘びていました。
山行計画を立ててくださったドラポケさんには大感謝です。今回のメインは黒法師岳。1日では到達できない奥深い山で、私のイメージは燻銀。しびれます、最高。
しかし、南はアクセスがほんとーに悪い。この日も金曜夜出発で寸又峡温泉へ。
タイミング悪く、東名高速道路は一車線規制…寸又峡温泉町営駐車場に着いたのはなんと3時をまわっていました。運転してくださったドラポケさんに大感謝です。(2回目)さっそく駐車場に幕営し仮眠をとり、7時半に出発。
南アルプスだけあって、水場の心配はまずなく荷物も比較的軽いはずなのですが…。私は寒くて寝られないというのを回避したく(親分ごめんなさい)、冬用のシュラフを持参。結果、共同装備はジェントルマンのお二人が持ってくれ、私はただザックが大きいだけの自己中山女となっていました。反省…。
【1日目】
1日目のルートは、沢口山〜天水〜八丁段〜山犬段避難小屋。 最初に目指すは寸又三山の沢口山です。寸又峡温泉街のカモシカ像の脇を通り、登山口へ。
最初の尾根に登るのが急登なだけで、山頂までは比較的緩やかなコース。道もしっかりあり、寸又三山だけあって気持ちいいハイキングコースです。途中、鹿のヌタ場脇に巨木のミズナラが現れます。迫力満点で、山の素晴らしさを改めて実感。そこからもう少し頑張れば、山頂に到着です。南アルプスの山々が見え、テンションもあがります!
お次に目指すは、天水。比較的なだらかな尾根歩きですが、さすが南アルプス。やっぱりアップダウンもちゃんとあります。だらだら歩きではなく、変化を楽しめるのも魅力ですね。
そしてここ天水からは、明日明後日に歩くであろう山々がぐるっと見渡せます。
黒法師岳、前黒法師岳、丸盆岳…。かっこいい景色に圧倒されます…が、あそこを歩けるのだろうかと少し心配な気持ちもちょびっと。でも、もう後戻りはできません。自分を心の中でこっそり励まして、山犬段へ向かいます。
板取山山頂を過ぎると、何やら植物や木の幹にネットのようなものがかけられています。それもそのはず、この辺りは静岡大学の演習林になっているそう。きちんとナンバリングされていて、興味深いものが見られました。山の中の実習は大変だね、と話しながら足を進めます。
板取山を下ると林道があり、この林道沿いを歩けば山犬段へ着きます。が!私たちは頑張って八丁段も登ることに。1日目で一番こたえたのが、ここの急登。のっしり、のっしり登り切ります。頑張って登ったかいもあり、展望場からはキラキラ光る海も見えました。
山から海が見えるってすてきですよね。ご褒美をもらった気分です。そんなこんなで14:15に山犬段へ到着、行動時間は約7時間でした。
さて到着したら、酒盛り開始です。山犬段の避難小屋はトイレットペーパー付のトイレ有、テーブル有、コンロ台有、座椅子有!思わず「ここはコテージ?」と叫びたくなるような有難さです。
一段落したら、水汲みに向かいます。林道が2本あるのですが、蕎麦粒山方面でない林道を10分ほど下ると水場です。(私たちは最初間違った林道を下ってしまった)何とか日が暮れる前に水汲みをも完了です。
今晩のメニューはポテトサラダとカレー。カレーにはスパイスをちょっと入れすぎてしまいました…。反省。
この日の避難小屋利用者は、私たちパーティーとソロのおば様のみ。(このおば様、歩くのがめちゃくちゃ速かった…!)外にはソロキャンパーと2人組キャンパーがいました。どうやらゲージを突破?できるみたいです。三連休ということもあり、もう少し混んでいると思ったのですが、思いのほか利用者の方は少なかったよう。
おば様は既に就寝しているし、外のキャンパーの方々もとても静かなので、ひそひそ声で話し、8時には就寝することに。明日に備えます。(しかし、冬用シュラフを持ってきた自己中山女は暑すぎて何度も目を覚ます羽目に…とほほ)
【2日目】
4時半起床。ドラポケさん作のおいしーいうどんを味わい、薄暗い中をいざ出発!避難小屋の外には新しい車が一台、車内には2人の方が。話しかけていただいたのでお話をしていると、どうやら地元の山岳会の方々で、登山道の手入れをしにきたそう。
地元に愛されてる山々なんですねぇ。そのお方のお話だと房小山までは踏み跡があるから歩きやすいとの情報。手入れをしてくださる方々がいるこそだなぁ、と思いつつお礼を言って蕎麦粒山へ!
蕎麦粒山までは緩やかな道。あと少しで山頂というところで日の出が見えました。何とも美しい〜…。山に来てよかった…、改めて綺麗な景色に感謝です。少し長く休憩したいところですが、何せこの日は時間がない!先に進みます。
この先の高塚山は人気のある山らしく、踏み跡がしっかりついています。そしてここ辺りから小さい笹がわさわさと。笹の朝露に濡れて登山靴もぴかぴかに。三合山に到着すると、なんとなーく人の気配が薄くなります。鹿や狸かな?動物のフンもたくさん確認できます。
千石平に到着すると何やら古いコンクリートの建物が。怖すぎて近づきもしませんでしたが、調べてみると昔はトイレだったそう。今でこそ、あまり人が行かない山ですが、かつては人気のコースだったのだとか…。
千石平を過ぎると、急登です。出たなー、南アルプス!と思いながら元気よく登ります。が…ここはやせ尾根+左右は崖のよう。崖マークが何故ついていない、と思うほどの斜面です。多分滑落したら止まらない、と思いましたが、左右を一切見ずに何とか登ります。
ここをクリアすると鋸山に到着です。この尾根は鋸尾根というそう。ギザギザしていて、ちょっぴり怖いけど楽しい尾根でした。
その2へ続く
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