少し荒れた天気の夜が明けました。テントの外に置いたザックが寒々と雪を被っていました
昨夕のミゾレまじりの天気、テントの外張りがへばりついてテント内が酸素不足になったのか、コンロの火の色が変わって炎もチラチラ
おおおっ、酸欠じゃあないか、という場面もあった夜が明けて
テント城壁の真上の空は青く晴れ渡っていました。ただ風の音がゴウゴウと唸っています
これから向かう槍ヶ岳の稜線も雲に覆われています
さあ、行こう
中崎尾根の左手に見える山々は、山頂まで晴れていました。抜戸岳とか大ノマ岳とかが見えているのだろうか
こういう景色が見えると気持ちが高ぶります
中崎尾根はゆるゆると稜線につながって
小さく登ったり下りたりしながら、徐々に高度を上げて行きます
風の音はしているものの、この尾根には風はあたりません。日差しもあって気持ちもゆったり
ただ稜線の雲の動きは速いようです
ちょっと長い登りにかかって・・ううっ、どうした、飲み過ぎか
いえいえ
あそこまで頑張れ
ここでちょっと休もう、荷物もちょっと入れ替えるぞ
大体なあ、男どもに比べて酒が多すぎる
槍平を振り返ると谷にガスがかかっていました
飛騨沢を詰めて槍ヶ岳を目指す登山者の姿が、ゴマ粒のように小さく見えています
このあたりから、少し風に当たるようになりました
白い雪面に光がさっと流れて、とても綺麗です
あの稜線まで、頑張ろう
岩場の下をトラバースして、稜線の鞍部を目指します
一歩一歩踏ん張って、頑張りました
谷底を見下ろすと、まるですり鉢の上に立っているみたい
稜線まで最後の急登です。ピッケルをしっかり雪にくい込ませて、一歩一歩足を蹴り込んで
稜線着、強い風が吹き付けてきます
風が強いのて、休んでられません
よし行くぞ